【感想】赤ずきんと迷いの森 山猫さん
2011.06.30 Thursday | category:【R18乙女】赤ずきんと迷いの森
JUGEMテーマ:18禁乙女ゲー
『赤ずきんと迷いの森』山猫さんプレイしました。
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山猫さんをプレイしてみてひとつ気がついた事。
プレイ順まちがえた。゚(゚^o^)゚。
すごくいいキャラだったと思うのですが、他のルートで知ってしまったことが邪魔をして純粋に楽しむ事が出来ない箇所がいくつかありました。詳しくは追記にて書きますが…。
コンプしたときにはオススメのプレイ順も検討してみたいと思います。
では、山猫さんの感想いきます!
※年齢制限(R18)のある女性向けゲームの感想です。
※ネタバレ含みます。
狼さん、きつねさんをプレイしてから山猫さんルートに臨んでいるので、プレイしている間ずっと「山猫さんはクラウディア以外の人を好きになる事はあるのだろうか…?」という疑問がありました。
だって狼さんルートでも、きつねさんルートでも、クラウディアのことを崇拝しきっていた山猫さんが、簡単にティアナに落ちるとは思えない…。
そんな疑いの目を向けつつプレイしたため、個別ルートに入るまではいまいち感情移入が出来ませんでした。最初の方は感想というよりほぼあらすじとなっております、ご了承ください。
山猫さんは最初からガンガン迫ってきます。「君を食べたい(性的な意味で)」と。
いかにも裏がありそうな彼ですが、顔を合わせるたびに優しく微笑み、口説いてくる彼にティアナも若干どきどき。ある日彼は「狼さんにはお気をつけなさい」と言います。そして狼さんは「山猫には気をつけろ」と。最初は狼さんのことも山猫さんのことも信用しないようにしていたティアナも、山猫さんの持つ不思議な雰囲気にだんだん惹かれていく。
狼さんに食べられてしまうのが怖い、自分の居場所を見つけなければならない。不安に思っていたときに、山猫さんから「自分と一緒に暮らさないか」と誘われます。最初は迷っていたティアナですが、狼さんが昔人間を殺したという事実を知り、結果山猫さんの家へ。
山猫さん…誘導が上手すぎる…!!!
一緒に暮らすようになってから、いくらアピールしても自分に心を許しきらないティアナに誠意を見せるため、山猫さんは自分の本名を紙に見せるのですが…。(狼さんルートプレイ済みだとこれが偽名だとわかってしまう…( ^ω^))。本来だったら「山猫さん…!(キュンッ」となるはずのシーンなのに、すごく冷め切った目で見てしまいました。なんだか残念というか、惜しい事をしたというか…、プレイ順は大切です。
このあと山猫さんと初めて行為に及ぶのですが、その際彼は「魔法」をかけます。気持ちよくなれる魔法。最初は信じていなかったティアナですが、その後山猫さんから魔法の研究をしていることを打ち明けられる…。
彼の本当の目的、人間の少女を抱くことで強い魔力を手にいれること。ティアナには初めて会ったときから強く惹かれていたが、愛情など持っていない。初回プレイ時、ここでああなるほど、と思いました。山猫さんは結ばれるまでの流れがあまりに不自然すぎた。なんでこんなにティアナのこと気に入ってるの?と違和感だらけでした。
でも本当は山猫さんはティアナに愛情を持っていたんだろうなあ。強く惹かれた理由はティアナが人間で、クラウディアに似ていたからかもしれない。何か魔力を感じたからかもしれない。けれどずっと愛を欲して生きてきた山猫さんは、この時点でティアナに女性として惹かれていたんだと思います。
もちろん彼は気付いていないし、(場合によっては最後まで気付かないのだけれど)。
山猫さんは強者が弱者を支配する、というのが当たり前のことだと思っていますから、ティアナが自分を倒すための力を望んでいない事を知り、がっかりしたような顔をする、戸惑う。何でこういう考え方になってしまったんでしょうかね。そう思わないと自分を保っていられなかったのかなあ。(一族が惨殺された)ときに手を差し伸べてくれたクラウディアの存在は彼にとって絶対的なもので、彼女の言う事が全てだったのかな。
なんだかきつねさんに似ているような気がする…。きつねさんルートの山猫さんは、必死に強くなろうとするきつねさんに過去の自分の姿が重なったのかな。それで彼を虐げたのだろうな、と思います。
ティアナは山猫さんにとってただの道具、玩具。なんとなく様子がおかしいと思ったうさぎさんが夜中、山猫さんの家を訪ねてきます。
そして無理矢理ティアナを連れて行こうとしたうさぎさんは、(山猫さんの魔法で人形にされてしまう)。えええええお前何してんねん!!!と思いました。いくらなんでもおかしいだろ、え?山猫さん頭いいんだからもっと他の方法もあったはずでしょう。それにこの方法は山猫さんだって困る事がある。
でも山猫さんがこういう行動を取ったのは、ティアナを失ってしまうと思ったからなんですよね。クラウディアを復活させるために強い力を得たくて、そのためにティアナを手に入れたはずが、いつの間にかティアナが中心になっている。やっぱり彼は彼女の事を本気で愛していたんだろうなあ。
なんだかんだ言って、彼はクラウディアを(強く憎んでいた)んだと思います。同じ目標を持ち2人で支え合っていたはずなのに、最も憎むべき人間を愛し、自分を捨てていった。クラウディアを崇める気持ちの一方で、無意識的に憎悪という感情も持ち合わせていたんじゃないんのかなあ。
さて、ここからはED別感想。(順不同)
1「望まぬ結末」ED
バッドエンド。結局山猫さんが手に入れたかったのは誰だったんでしょうか。クラウディア?でも(人形となった)ティアナを連れて花畑へ行き、リンゴの成熟を待っているということは、別にティアナをクラウディアの代わりにしている訳ではないんだよね。
この解釈はポジティブすぎると言われてしまうかもしれませんが、山猫さんが手に入れた買ったのはティアナなんじゃないかな、と思います。でも彼にはクラウディアという絶対的な存在があり、またティアナに対する執着心に自分でも気付いていない。ティアナの発した何気ない言葉から一瞬クラウディアの姿が重なり、「自分はクラウディアを手に入れる」という思いでティアナを手に入れた。自分で自分を誤魔化しているんじゃないのかな。
(人形)というのがよくわかりませんでした。よくある乙女ゲーの鬱展開だと感情がすっぽり抜け落ちてしまったってことになるんだろうけど、山猫さんだったら本当に(人形にしていてもおかしはない)。うーん。私は後者だと思うのですが、他の人がどう考えるのか気になりますね。これを書き終わったら他のレビューサイトでも巡ってみようかな。
2「愛しいこの場所」ED
なんだかんだ言って森の住民が好きでたまらない山猫さんが可愛すぎる。例のごとくEDと言いつつ続きがあるわけですが、このEDいちばん好きかも。
4「ここから始まる」ED
ハッピーエンドなわけですが、泣きました。狼さん、きつねさんルートでは「ハッピーエンドに違和感がある」と言いましたが、これはそんなことなかったよ!山猫さんは色々なことを言いつつも、森を出る勇気はあったんでしょうね。でも森の住民を愛しているティアナを見て逃げ出す事はできなかった。彼女を悲しませずにすむ方法として山猫さんに考えられたのが(記憶の操作)だけだったんだと思います。決して悪事を働いているつもりではなかった。だからティアナに「どうしてそんなことするの?」と言われたときも、本気でびっくりしてしまう。そして心の痛みを理解する。でも森の住民たちがそんなことを理解してくれるはずもないんですよね。過去に操作を行ったのは事実だから。今回ばかりは大好きな狼さんが恨めしかったです…。どうしてわかってくれないのよ!
最初は本当に山猫さんが(死んでしまう)のかと思ってびっくりしました。ぼろぼろ泣いた。あんなにクラウディア、クライウディア言ってて、何度も同じような悪事を繰り返していた山猫さんが、最後は自らの命を削ってまでティアナを助ける。しかも「自分のためだ」なんて言いながら。ああ、この人は本当に不器用なんだな、誰よりも一途に愛を欲していたんだな、と涙が止まりませんでした。
まあこのあと(奇跡の生還)を遂げるわけですが、こじつけのような感じがせず、すごく素敵なシーンだったと思います。今まで見てきたED(他キャラのものも含め)のなかで一番幸せなEDじゃない?森の住民たちも、山猫さんとティアナも、そして(花になってしまった人たちも)幸せになれるEDです。ナイトメアと猟師さんはよくわからないけど…。クラウディアも満足しているんじゃないかなあ。
ラストシーンも素敵でした。山猫さんの希望に満ち溢れた様子に心が温かくなります。
3「幸せな記憶」ED
ティアナ!!!あなたはそんな弱い子じゃないでしょう!?!?
このEDはどうしても納得がいきません…。ティアナは逃げるような子じゃないと思うんだけどなあ…。これだったら後追い自殺とかの方がずっと違和感がなかったんじゃないかと思います。(すべて忘れて楽になってしまおう)っていうのはちょっとおかしくないかしら。
5「頭から、ぺろりと」ED
猟師さんとのライバルエンドです。シナリオの長さ的に仕方がないのかもしれないけど、対して会ってもいないのにティアナに惹かれ始める猟師さんがちょっと理解できない。
でもそれ以外はよかったです。「苦しみが最も確実な感情」だと思っている山猫さんが可哀相でした。彼は特に感情の篭っていない声で「嫉妬してしまった」なんて言って猟師さんを(ティアナに殺させてしまう)のですが…。最初からこうすつもりだったんでしょうね。でも「嫉妬してしまった」というのは本当なんじゃないかな。口先だけ、というような雰囲気ですが、ティアナのことを愛しているとか、人形だと思っているとか、そういうことには関係なく執着していることは事実ですから、目の前でティアナと猟師さんの行為をみて、本気で嫉妬したんじゃないかな。彼自身がそれに気付いているかどうかと言ったら気付いていないんだろうけど。
どうして山猫さんが人を気付ける事を好んでいたのか。人から愛情を受けるかわりに、最も確実な感情を引き出していたのかな。愛ではなく苦しみでも、相手の本当の感情を確かめたかったのでしょうか。
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最初に言った通りプレイ順の問題により楽しめないところがありましたが、それを除けばすごく良いルートだったように思います。
山猫さん、すごく寂しい人ですね。彼を唆したクラウディアが憎い…。真実が気になりますね。でもとりあえずは猟師さんとナイトメアをプレイしないと。
次は猟師さんをプレイします。狼さんからプレイし始め、毎回ライバルエンドに登場してきた人をその次の攻略対象としていますがどうなんだろうコレ。でも気になっちゃうんだもの。その人の性格とか、ね。
余談ですが、「人間の少女を抱く事で力が手に入る」というのは『いじわるmy master』のレオンルートにそっくりですね。やっぱりシナリオを書いているのが同じ人だからかな。
今まで製作者の方まで細かく気にした事はありませんでしたが、このブログを立ちあげて感想を書くようになってから、シナリオやイラストの担当の方まで気にするようになりました。違うメーカーさんから発売されているものでも、シナリオ・企画が同じ方だと、イラストや声優さんも被っていたりするんですよね。こうやってどんどん自分の好みのゲームを見つけられて楽しいです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
次回の感想もお楽しみに!
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